「なんだか仕上がりが素人っぽい…」そう感じたことはありませんか?
実はその原因、糸選びにあるかもしれません。洋裁において「糸」は目立たない存在ですが、素材や用途に合った使い分けをするだけで、仕上がりの見た目や耐久性が格段に変わります。
この記事では、「洋裁 糸」の選び方や「素材で使い分け」るポイントを初心者にもわかりやすく解説。さらに、プロっぽく仕上げるコツもあわせてご紹介します!
基本をおさえる!洋裁に使う糸の種類と特徴
ミシン糸と手縫い糸の違い
洋裁では、ミシン糸と手縫い糸を正しく使い分けることが大切です。
なぜなら、それぞれの糸は目的に合わせて加工されており、使い方を誤るとトラブルの原因になるからです。
たとえば、ミシン糸は高速で縫うことに耐えられるように、滑りが良く絡みにくい加工がされています。
一方、手縫い糸は針との摩擦を前提に作られており、張りがあって絡みにくいのが特徴。
ミシンに手縫い糸を使うと、糸切れや絡まりが発生しやすくなります。
作業効率や仕上がりの美しさを保つためにも、糸の役割を理解して選ぶことがプロっぽさへの第一歩です。
> 用途に合った糸を使えば、トラブル回避にも
素材別の主な糸(ポリエステル、綿、絹)
糸の素材を知ることは、作品の完成度に直結します。
その理由は、素材ごとに縫いやすさや仕上がりの質感が大きく異なるからです。
たとえば、
ポリエステル糸は丈夫で伸縮性があり、初心者にとって扱いやすい万能型。
一方で、
綿糸は熱に強く、アイロンを多用する場面や自然な風合いを重視する布地に適しています。
また、絹糸は上品な光沢と柔らかさが魅力で、和服やシルク素材など繊細な布にぴったりです。
「どんな糸を選ぶか」で洋裁の仕上がりは大きく変わります。
とはいえ 私が実際仕事で使う糸は、ほぼポリエステル糸です。
ポリエステル糸でも 絹糸に寄せているテトロン糸と 綿糸に寄せているスパン糸 万能な複合糸があります。
ポリエステル糸はあつかいやすいですし、手芸店でも手軽に手に入るので一番おすすめです。
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素材に合わせた糸の使い分け方
ニット素材には伸縮性のある糸を
ニットやストレッチ素材には、伸縮性のある専用糸を使うことが基本です。
なぜなら、布の伸びに糸がついていけないと、縫い目が切れたり、布がつれたりするからです。
たとえば「レジロン糸」はポリエステル100%で伸縮性が高く、Tシャツやレギンスなど体の動きにフィットするニット素材に最適です。
普通のミシン糸では縫い目が引きつれたり裂けたりする場合があるため、レジロン糸などの伸びる糸を選ぶことで、見た目も着心地も格段に良くなります。
布の特性に合わせて糸も選ぶ――これがプロっぽい仕上がりを実現するコツです。
> ニットには「レジロン糸」が定番!
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デニムや厚地には太番手の強い糸を
デニムやキャンバスなどの厚地素材には、太くて強度の高い糸を選ぶのが鉄則です。
理由は明快で、普通の細い糸では縫い目が切れたり、見た目が頼りなく仕上がったりするからです。
たとえば「30番手」や「20番手」といった太番手の糸は、厚みのある生地でもしっかりと縫い込むことができ、しかも縫い目がデザインの一部として映えるという利点もあります。
特にデニムパンツやバッグ作りでは耐久性が求められるため、太番手の糸の使用は不可欠です。
厚地に合う糸を使うことで、見た目にも機能的にも完成度が格段にアップします。
> 太番手は「20〜30番手」が目安!
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薄手の布には細番手の糸が◎
シフォンやローンなどの薄手の布には、繊細な細番手の糸を使うのがポイントです。
その理由は、太い糸で縫ってしまうと縫い目が浮き出て目立ち、せっかくの柔らかな布の風合いを損なってしまうからです。
たとえば「90番手」や「60番手」の細い糸は、布に馴染みやすく、目立たず上品な仕上がりになります。
ミシン設定を慎重に調整しながら細い針と合わせて使用すれば、より一層美しく仕上がります。
薄手素材には細番手の糸を使うことで、縫い目が控えめで高級感のある印象に。プロの仕上がりに近づく秘訣です。
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仕上がりで差がつく!プロっぽく見せる糸使いのコツ
色選びは「なじませる」か「引き立てる」かで使い分け
糸の色選びは、仕上がりの印象を大きく左右する重要な要素です。
同系色の糸を選べば縫い目が布になじみ、すっきりとした上品な印象に。
一方で、あえてコントラストのある色を選べば、縫い目がアクセントとなりデザイン性が際立ちます。
たとえば、白地にネイビーの糸を使えば、カジュアルでポップな印象を演出できます。
縫い目を“隠す”か“見せる”かは、作品のコンセプトによって使い分けるのがプロの技です。
糸の色を意図的に選ぶことで、完成度の高い、洗練された印象の作品に仕上げることができます。
> 糸の色も「デザイン」のひとつ!
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糸調子と縫い目幅で見た目が変わる
糸調子と縫い目幅の調整は、縫い上がりの美しさに直結する重要なポイントです。
糸調子が強すぎると布がつれて波打ち、弱すぎると縫い目が浮いて不安定に見えてしまいます。
また、縫い目幅が狭すぎると縫い目が密になり、見た目が硬くなることも。
たとえば、薄手のブラウスには2.0〜2.5mmの縫い目幅、厚手のジャケットには3.0mm前後がおすすめです。
生地に応じて設定を見直すことで、自然で美しい縫い目に仕上がります。
プロっぽく見せるには、縫い始める前のミシン設定の見直しがカギです。
> 生地ごとに“ベスト設定”を探そう!
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仕上げにスチームアイロンで縫い目を整える
洋裁の仕上がりをワンランクアップさせるには、スチームアイロンで縫い目を整える一手間が欠かせません。
縫い終わった後に軽くスチームをかけることで、縫い代が落ち着き、縫い目がフラットで美しくなります。
特にコットンやウールなど、アイロンによる整形効果が高い素材では、仕上がりに明らかな違いが出ます。
見た目にまとまりがあり、市販品のような完成度を目指すなら、スチーム仕上げは必須です。
縫うだけで終わらせず、最後に整える。この一手間が“素人感”をなくし、プロのような仕上がりに近づけます。
まとめ:糸選びと使い分けが、プロっぽい仕上がりを左右する
洋裁において、糸の種類や素材ごとの使い分けは、作品の完成度に直結する重要な要素です。
ミシン糸と手縫い糸の違いや、ポリエステル・綿・絹といった素材別の糸の特徴を理解することで、より適切な選択ができるようになります。
また、ニットやデニムなどの布に合った糸を選ぶ工夫や、色選び・糸調子・仕上げのアイロンといった細部へのこだわりが、作品を“プロっぽく”見せるカギになります。
> 糸選びは「素材・色・調整」が決め手!
次のステップとしては、実際にいくつかの糸を使って縫い比べてみるのがおすすめです。
違いを体感することで、理論だけでは得られない「感覚」が身につきます。
糸の選び方を変えるだけで、あなたの作品は驚くほど洗練されたものになりますよ。